【中国行きのスロウ・ボート】#2 うどんとパスタ
記念すべき記事数10達成しました!!!
これからさらにみなさまに読まれるような記事を書いて行きたいと思います。
本日は、村上春樹さんの著書中国行きのスロウボートを紹介します!
みなさんに楽しく読んでいただけるよう、面白おかしく書いてますので、読んでみてください😊
21歳の夏、僕はひたすらうどんを茹でる事にはまっていた。大学の授業がなく、家でお昼ご飯を食べなければならない時は特に、うどんを茹でていた。
妙なこだわりがあって、もちもちした半生ではなく、乾麺を好んでいた。半生うどんは、大抵焼きうどんにされた。濃い味付けが好きだったから、ソースでべちゃべちゃになる事を目標に、フライパンの肌が焦げ付くくらい焼きつけた。うどんでもパスタでも、僕は固い麺が好きだった。決まってゆで時間の一分二分早く引き上げた。
うどんの乾麺は時折、お菓子にもなった。小腹が空けば、まるでポッキーのようにうどんの乾麺をかじった。
茹でたうどんの味付けは、試行錯誤した。
自分にとって理想的な味付けを探した。
ポン酢大さじ2、ごま油大さじ1が僕にとっての理想だった。
そこにごまを振りかけるなり、ネギを散らすなり、その後の選択肢は自由だった。
僕が重視していたのは、おひるごはんには、乾麺のうどんを茹でるという事だった。
当時付き合っていた彼女とは、1度だけそのうどんの乾麺を使って、ポッキーゲームをした事がある。彼女が僕のことを理解してくれようとして、持ちかけた。
冬に、「あなたの考えていることは、人には理解されにくいけれど素晴らしい事なのだろう、そして私はどうにも他人らしかった」と言われて振られた。その時にはもう、乾麺のうどんを茹でることはなくなっていた。
ちなみに僕はあまりろくなことを考えていなかった。ネットで拾った浅薄な知識を立派な城砦に、東京オリンピックが中止されれば良い、といったような浅はかな事しか考えていなかった。
ポン酢はミツカンのやつじゃないとダメだと思っている。
村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』の中では、「午後の最後の芝生」が好きだった。
うだるような真夏に、芝生を刈りに行った家の女に招かれて、家の廊下を歩く場面。日陰に入り、木漏れ日で涼んでいるような感覚に陥った。
それから女の娘の服やら下着を見させられるのも奇妙で好きだった。
村上春樹をよく知る友人に聞くと、彼はよくパスタを茹でているという。